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母親の目を盗んでキャンドルやフロア用のワックスを持ち出しては、波の上で足が滑るのを防ぐためにサーフボードのデッキに塗りつけていた時期を経て、カリフォルニアでサーフィン用と称するWAXが初めてこの世に登場したのが1964年のことである。
それから様々な時代をくぐり抜け、現在、世界中で年間1千万個を楽に越えるサーフWAXが消費されているという。その需要を支えるために、世界を代表する大手WAXメーカー各社はそれぞれ一日に1〜2万個のサーフWAXを生産し世に送り出している。
その恩恵により我々は、地球上のどこかで割れている素晴らしい波を快適に楽しむことができる。
人生の中で波乗りというものに出会えたということは、この上もない喜びであるし、その感謝の気持ちをサーファーであるなら自然環境への思いやりで表すというのはごく自然なことである。サーファーは、海から獲物を得るわけでもなく、ただ自然のエネルギー循環の中で生み出された波というものが陸へと向かい砕け散るその一瞬に現れる水の斜面を滑るということだけにうつつを抜かす種族である。
サーフボードは動力を使用せず何の排出物も出さない。
従って、海というフィールドに限って言えば波乗りという行動が海を汚染する可能性は非常に低いと考えられる。もちろんサーファー自身がゴミのポイ捨てをするとなると話は別であるが、
サーファーのゴミのポイ捨てに対する自己管理は国際的にかなりのレベルで行き届いており、それは既に「捨てない」から「拾う」という意識段階に進化している。
そこで、話はWAXに戻る。快適なグリップを得るためになくてはならないWAXであるが、
1千万個のWAXはいったいどこに消えるのだろう?WAXがひとつ100グラムだと仮定して1千万個となると1,000,000,000グラムとなりそれは100万キログラム、つまり1千トンとなる。
WAXは水には溶けないにしても、確実にそのうちの数%は海中や砂浜で剥落しているはずだ。
また、サーファーの皮膚は長時間にわたって 直接WAXと擦れ合うことを余儀なくされる。
現在、WAXの成分のほとんどが石油からできているということは環境や人体に対する影響を考えてみた場合に、決して安心できるものとは言えないのではないだろうか?
我々はその点の改善を試みたのである。
サーフWAXの大手の先駆者達がそうであったように、WAXメーカーをするということは、地味で過酷な道のりであった。単価が低いということもあって大量に販売しなければ利益を生むことができないが、始めから大きな生産ラインを導入することなど出来ない。また、原材料のコストをいかに抑えるかも重要な課題となるのだが、石油製品を使うのが最も安価であるのは分かっていても、それを出来るだけ使用しないで製品を作るのがもともとの目標である。もちろん本来のグリップ性能の研究にも手を抜くわけにはいかなかった。

2003年、夏も盛りを過ぎた頃、我々の製品は発売するに至った。
しかし、現行の石油含有比率は30%〜40%にとどまっている。
それをもって、環境系エコWAXと称するのは、正直、不本意であるが、
既存のどのサーフWAXにも劣らないグリップ性能を保持したまま、
石油製品の使用を限界まで抑えることに挑戦し、また製造過程においても高い
環境意識を持つこと、それがSATIVAWAXの目指すところである。
「1日、300個しか造らない。」という全く、ローテク、ハンドメイドのこの製造ポリシー
を含め、自分達の出来る所から、心をもって仕事に努めたいと考えております。
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